「素数」の面白さ、いろいろ

素数の神秘
「素数」の面白さ、いろいろ
素数は数を構成する最小単位であり、別名「数の原子」とも呼ばれている。またその性質を利用して、暗号化技術にも活用されている。近年、ランダムに出現する素数の並びに法則性があり、また自然界とも密接な繋がりがあるのではとの見解が高まっている。
最終更新日 2019/11/24

素数の定義

素数は「1とそれ自身の数字」以外で整数に割り切ることのできない自然数(正の整数)のことをいい、英語ではprime number(本質的な数字)と呼ばれます。

具体的には「(1),2,3,5,7,11,13・・・」などが該当しますよね。中学校教育でも学習するので馴染みがあるかと思います。

素数

そして素数を除く全ての自然数は、素数の組み合わせで出来ています。素数は数を構成する最小単位であるのです。このため、素数は別名「数の原子」とも呼ばれています。

1は素数であるのか?

「1は素数であるのか」についてですが、現在では「素数ではない」という意見が多くを占めているようですね。素数が数の原子であるならば、素因数分解をしたときに例えば「6=2×3×1×1×・・・」のように1は無限に掛け合わせることが出来てしまうために定義上ふさわしくない、という意見が多いようです。

まぁ明確な結論は出ていないようです。時代によっても「1を素数に含める」とする意見が優勢であった時代や、「いや含めない」という意見が優勢であった時代が存在したようです。個人的には素因数分解の話で「ああなるほど」と思ってしまったんですが、多数派に付いても面白くないので中立、というかそんなに真剣に考えたことがなかったです。(笑)

一意であることの優位性、暗号化技術への応用

数を構成する最小単位である素数は、私たちの身近にも利用されています。それは、クレジットカード等のICカードにみられる暗号化技術です。といっても、これら暗号化技術に用いられる素数は膨大な桁数に及びます。

膨大な桁数の素数

膨大な桁数の素数は、その数そのものが数の最小単位であり、コンピュータのプログラム等による数字の推測(数字の掛算による総当たり計算等)が非常に困難です。そのため、膨大な桁数の素数は非常に高いセキュリティ性を持ち、またその素数は高値で取引されています。

では、素数は数式に置き換えて表わすことができるのでしょうか?つまり「(1),2,3,5,7,11,13・・・」のように、一見ランダムに出現すると思われる素数の出現箇所に、一定の法則を見出すことができるのでしょうか?

素数と数学者の歴史

素数の法則性については、現在では証明がされていませんが、歴史に名を残す数学者たちも素数の謎に挑み続けてきました。18世紀に活躍した数学者「レオンハルト・オイラー」(1707/04/15~1783/09/18)は素数と自然界との密接なつながりを示唆する、ある重要な発見をします。それは、ある数学の証明を行う課程で、次のような数式を発案したときに発見されました。

オイラー

この素数で作られた数式の解は、π2/6になります。バラバラな素数の集まりから、宇宙で最も美しい形「」の円周率「π」が導き出されたのです。この発見によってオイラーは、素数が自然界をはじめとする宇宙の法則と繋がっている可能性を初めて示唆した数学者となりました。

※上記の数式についてですが、にわか数学知識のある自分からすると、数式を極限(無限大)まで飛ばしている辺りが、若干ウサン臭いようにも感じますが、どうなんでしょうかね(笑)。よく分かりません。

数学界の難題 リーマン予想

19世紀に活躍した数学者「ベルンハルト・リーマン」(1826/09/17~1866/07/20)は、素数の出現にある一定の法則性があるのではないかという予想を提唱しました。これをリーマン予想といいます。もしこのリーマン予想が正しいと証明されると、素数によって保たれてる現代の暗号化技術にほころびが生じることにもなりかねません。

2009年にアメリカ合衆国の数学者「ルイ・ド・ブランジュ」が、このリーマン予想の証明に成功したと発表し、広く一般の人々にまで話題を呼びました。現在はその証明の審査が行われている状態ですが、これが証明されることになれば、150年に渡る数学の未解決問題のひとつにピロオドが打たれることになり、期待が寄せられています。

参考・引用元
NHKスペシャル

自然科学