ハロウィン

ジャーマンメタルのパイオニア
ハロウィン
アーライ神であるカイ・ハンセンらにより結成。ジャーマンメタルという新ジャンルを確立するとともに、後のメロディック・スピートメタルに絶大なる影響を与えた。ボーカルにより大きく3つの世代にハッキリと分けることができ、それぞれの世代で特徴ある音を楽しむことができる。

基本情報

名前 ハロウィン (Helloween)
結成 1984年
出身 ドイツ ハンブルク州
ジャンル
  • メロディック・スピードメタル
  • ジャーマンメタル
メンバー関係者
(順不同)
  • Vo. アンディ・デリス(Andi Deris)
  • Vo. マイケル・キスク(Michael Kiske)
  • Gt. マイケル・ヴァイカート(Michael Weikath)
  • Gt. サシャ・ゲルストナー(Sascha Gerstner)
  • Gt. カイ・ハンセン(Kai Hansen)
  • Gt. ローランド・グラポウ(Roland Grapow)
  • Ba. マーカス・グロスコフ(Markus Grosskopf)
  • Dr. ダニ・ルブレ(Dani Loeble)
  • Dr. インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Ingo Schwichtenberg)
  • Dr. ウリ・カッシュ(Ulrich Kusch)

ハロウィンの特徴・エピソードなど

アーライ神であるカイ・ハンセン(Kai Hansen)らにより1984年にドイツにて結成。バンド名の「Helloween」は、地獄(Hell)とハロウィン(Halloween)をもじったものである。疾走感のあるドラミング、ツインリード・ギター、サビ等での底抜けに明るいメロディー、ハイトーン・ボイスなどが特徴であり、そのスタイルは後にジャーマンメタルと呼ばれるようになる。類似ジャンルとしてメロディック・スピートメタルが挙げられるが、重複する部分が多く、はっきり分けることは難しい、というかどっちでも良い。

活動期間が長く、ボーカルにより大きく3つの世代(初期、中期、後期)にハッキリと分けることができる。

初期

初期はカイ・ハンセンがギターとボーカルを兼任していた時期である。魔女声(高音で線が細い、しわがれ声)のカイ・ハンセンに、粗削りで凶暴、籠ったサウンドと、ビギナーにはかなり難易度が高いので、後回しにすることを勧める。常習者にとってはカイ・ハンセン特有の明るいメロディーやクサみがたまらない。ベースのマーカス・グロスコフ(Markus Grosskopf)の特徴であるカウンター・メロディ(主旋律とは独立したメロディ)は初期の作品からすでに窺うことができる。

中期

バンドとしての輝きを放ち出すのが、中期のマイケル・キスク(Michael Kiske)加入後である。魔女声でクセがあり、リスナーを選ぶカイ・ハンセンの歌声と違い、伸びやかで透き通るような甘いハイトーン域を持つマイケル・キスクの歌声により、音楽シーンの拡大に成功する。

特に1987年に発表された2ndアルバム「Keeper Of The Seven Keys Part1 (守護神伝 第一章)」、翌1988年に発表された3rdアルバム「Keeper Of The Seven Keys Part2 (守護神伝 第ニ章)」は世界的なヒットを記録する。

この頃、マネージメントを巡りバンドの中心であるカイ・ハンセンが脱退してしまう。カイ・ハンセンは後にガンマ・レイ(Gamma Ray)を立ち上げる。後任ギタリストはローランド・グラポウ(Roland Grapow)。カイ・ハンセンが脱退したことにより、ギタリストのマイケル・ヴァイカート(Michael Weikath)を中心とした洗練された美しいサウンドのバンドになる。

世界的セールスを納めたハロウィンであったが、1993年に音楽性の違いからボーカルのマイケル・キスクが脱退し、また同時期にドラムのインゴ・シュヴィヒテンバーグ(Ingo Schwichtenberg)が酒とドラッグに溺れて解雇されてしまう。

後期

ボーカルとドラムが抜けた翌1994年、ボーカルにピンク・クリーム69のアンディ・デリス(Andi Deris)、ドラマーに元ガンマ・レイのウリ・カッシュ(Ulrich Kusch)を加えた後期の新生ハロウィンが結成される。

Vo.アンディ・デリス、Gt.マイケル・ヴァイカート、Gt.ローランド・グラポウ、Ba.マーカス・グロスコフ、Dr.ウリ・カッシュのラインナップは後期におけるハロウィンのサウンドを支え、良質な楽曲をリスナーに提供してくれた。中期のマイケル・キスク、カイ・ハンセンらによるサウンドも良いが、このアンディ・デリス、マイケル・ヴァイカートらによるサウンドの方が全体的な評価が高いのではないだろうか。

ちなみにローランド・グラポウとウリ・カッシュは後にハロウィンを脱退し、良プロジェクトであるマスタープラン(Masterplan)を立ち上げることになる。

ハロウィンの音楽・ライブ映像(有名な曲、おすすめ曲)

マイケル・キスク(Michael Kiske)加入後、世界的セールスを記録した2nd.アルバム「Keeper Of The Seven Keys Part1」に収録されている「I'm Alive」という曲。

  • 疾走感のあるジャーマンメタル・ナンバーである。やたらと間奏~ギターソロが長い。
  • 若き日のマイケル・キスクの歌声である。成熟したマイケル・キスクの歌声を知っているだけに、まだ粗削りな印象を受ける。
  • 2:20辺りから始まるギターソロで、雰囲気がガラリと明るくなる。このギターソロの存在感は、さすがといえる。

ボーカルにアンディ・デリス(Andi Deris)、ドラマーにウリ・カッシュ(Ulrich Kusch)を迎えて発表されたアルバム「Master of the Rings」に収録されている「Where the Rain Grows」という曲。

  • 個人的に一番評価の高い曲。ハロウィンらしくもあり、ハロウィンらしくない曲。流れるようなサビの美しさは他の曲の追従を許さない。
  • 冒頭のドラムソロはいかにもウリ・カッシュらしいフィル構成である。私もこの曲をドラムで叩くが、叩いていて非常に気持ちがいい。スイング感あるツーバスが心地よい。
  • ベースのマーカス・グロスコフ(Markus Grosskopf)のカウンター・メロディ(主旋律とは独立したメロディ)もハマっている。
  • アンディ・デリスのハスキーな中音域と、抜けの良い高音域を官能出来る。

アンディ・デリス時代のアルバム「Better Than Raw」に収録されている「Falling Higher」という曲。

  • 上で紹介したアルバム「Master of the Rings」からスタートしたアンディ・デリス期であるが、この時期にはマイケル・キスク時代を脱却し、後期ハロウィンとしての音楽性がかなり確立されているのがわかる。
  • 特徴的なギターメロディーとウリ・カッシュのクセのあるドラムフィルから始まるイントロがかなりカッコイイ!!残念なのが、中盤のギターソロがイマイチなのと後半にダレてしまう所か。

私の持っているライブDVD、教則DVDなど

私が持っているライブDVDは、「High Live」です。

High Live

アンディ・デリス時代の初期ライブ映像で、脱退前のローランド・グラポウやウリ・カッシュも在籍。編集があまり良くないが、ウリ・カッシュ先生を観たいドラマーなら必見。We Burn、Sole Survivor、Eagle Fly Free、Future World、Power、Where The Rain Growsなど、キスク時代からの系譜を踏襲した内容となっています。

新生ハロウィン(当時)の雰囲気を観れる貴重なライブ映像です。

HR/HM