アメリカ人は約70%が体重超過にあるといわれる。
こんな食生活をしているから当たり前である。
どうしてこうなった!? アメリカという国でいったい何が起こっているというのだ。。
ちなみにこの「体重超過の定義」であるが、世界保健機関(WHO)の見解によると、
と分類をしている。アメリカ合衆国ではこの太り気味・肥満といわれる人達が全人口の約70%を占める。さらにその中で肥満に分類される人達は約30%に及ぶという。
上図で紹介した二人は確実に肥満カテゴリに分類されるだろう。アメリカ合衆国ではこのクラスのおデブちゃんが3人に1人も居るのである。
ではなぜ、こんなにも太った人が増えてしまったのだろうか?
元々アメリカ人にこんな人達は居らず、肥満人口が急増し始めたのは1980年代からだという。この年代の前後に、いったい何があったというのだろうか。
アメリカの食文化を語る上で欠かすことができないのが、ジャンク・フードとよばれる食べ物である。このジャンク・フードが爆発的に普及した背景には、アメリカ政府の農業政策にあるという。1970年代初頭にアメリカ合衆国を襲った食糧危機に対する恐怖感から、アメリカ政府は大規模農業による穀物の大量生産に乗り出す。特にトウモロコシの大量生産に成功し、市場にトウモロコシが溢れ出ることとなった。
このトウモロコシが、コーン・シロップと呼ばれる甘味料や、家畜の飼料として大量に利用されることとなる。その結果、コーラに代表されるような甘味料たっぷりの炭酸飲料や、ハンバーガー・ホットドッグなどに使用されている牛肉の大幅な価格下落をもたらすことになる。
こうして、ジャンク・フードを低価格で提供できるような仕組みが生まれたのである。
この安価なジャンク・フードを主食にしているのは、国民の大多数を占める低所得者層であり、肥満人口もまた、高所得者層よりむしろ低所得者層に拡大しているという現状がある。
「お金が余っているから太っている」のではなく、お金が無いがゆえにジャンク・フードに頼らざるをえないのである。
実はこの肥満人口増加問題は、アメリカ本土にとどまらず、グローバル化の波に乗って、世界を席巻しつつあるという。あまり知られていないのだが、メキシコもまた肥満率の増加に悩んでいおり、近年メキシコの肥満率がアメリカの肥満率を抜いて1位に輝いたという統計もあるほどだ。
日本のお隣、中国においてもジャンク・フードの波が伝搬しており、糖尿病など肥満を原因とする疾患の急増が社会問題になっている。
飢餓に苦しんだ時代からすれば、本当に贅沢な悩みではあるが、このアメリカ合衆国を中心とするジャンク・フードの波に飲み込まれないようにしなけれなばらない。
・・・すでに飲み込まれているのかもしれないが。